あさひ湯

乃東生 なつかれくさしょうず
12月22日 - 26日頃


~ 冬至 ~
Winter solstice (Shortest days of the year)


気の利いた銭湯は、季節に合わせた特別な風呂を用意してくれる。
代表的な季節の湯といえば冬至の柚子湯。

自宅で柚子湯を用意するなんて実家でもそうそうない。
せっかくだったら銭湯に行って本物の柚子がたくさん浮いた特別なお風呂に入ろうと、2021年の冬至の日、前々から柚子湯の告知広告を貼っていたあさひ湯に行った。

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ゆずの匂いすごいやろ。ごめんな

2021年12月22日 23:30



あさひ湯には有料サウナとは別に無料で入れるスチームサウナがあって、閉店の2時間前くらい、午後10時くらいにはスチームサウナのプロが集う。
(スチームサウナのプロというのは、スチームサウナ内に大浴場の風呂のお湯を撒き散らし、通常以上のスチームを起こす人たち。スチームサウナのある銭湯にはそういう常連がいることがある。この日のあさひ湯には3人のプロがいた。)

一人はスチームサウナの扉を(歯を磨きながら)開き、残りの二人がテンポ良く柚子湯をスチームサウナ内に撒く。
冬至にあさひ湯を選んだ理由はこれを期待したから。まさに期待通りの特製プロ仕様のゆずスチームサウナに巡り会えた。

俺にとって銭湯は、わがままに入りたい湯に入り、自分の居たいところを占領し、思う存分お風呂を満喫する場というよりも、他のお客さんに気を配り、混み具合を見定めて自分がどこにいるべきか、思いやりを持って過ごす人たちが集まる場。
例えば、プロたちがスチームサウナを楽しむ時間には他のお客さんはスチームサウナの利用を控えたり、水風呂に入りたそうな人がいればその人に譲ったり、銭湯を好む人たちは、そういった行動をごく自然と行う。そんな場で自分も同じように気を使い思いやりを持った行動に取り組むことに心地よさを感じる。
だけどこの日のゆずスチームサウナがどうしても羨ましくて、勇気を出して「自分も入っていいですか?」と初めてプロたちに声をかけた。
お湯撒きを取り締まるリーダーらしき方は「ええよええよ。ゆずの匂いすごいやろ。ごめんな」と逆に恐縮し、俺の分の席を用意してくれた。

お湯を撒いた後のスチームサウナは想像よりも暑くなく、ムンムンと立ち籠る湿気が心地いい。そして、強烈なほどに芳しいゆずの香りが最高に落ち着く。
スチームサウナを堪能して水風呂に入り、外気浴をしていると、リーダーが「もうおっちゃん上がるけどゆずやるか?」って閉店間際に俺のために沢山の柚子湯をスチームサウナに撒いてくれた。

いい銭湯には素敵なコミュニティが生まれる。世代も業種も異なるその銭湯を好む人たちによるコミュニティ。ここに限らずそれぞれの銭湯ごとに、行かないとわからない豊かなコミュニティがあるんだろうな。


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